第3号 平成24年2月20日
●困っていること
「今年は何とか自分で掘るけどさ、これから先はいったい誰がこの雪をどかしてくれんのかねや。」
今年も豪雪に見舞われた上越市、掘っても掘ってもたまり続けるこの雪の山に涙を流している高齢者がたくさんいらっしゃいます。市街地には別の涙があります。細い路地はどこにも雪を持っていける場所がない状況でした。罵声の飛び交う中を一斉雪下ろしされた方も多かったと思います。市内の交通機能はマヒし、経済活動全般に支障が起こりました。市がこの問題に取り組むにも財源は底をついており、一律にすべての高齢者世帯に援助をし続けることは、今後ますます困難になっていくことでしょう。
私の住む牧地区では夏になると草刈りのボランティアが出ますが、雪掘り、雪おろしもボランティアを募って助け合う以外にもう道がなくなってきているようです。ぜひ高校生、大学生さんたちにボランティアの初体験を地元で始めて欲しいと思います。市が学校に働きかけて、参加者を募ったらよいのではないでしょうか。(ただし雪下ろしには危険が伴うので、経験を積んだ人の指導の下に行われなくてはなりません。)温泉券を付けたり、お弁当を準備したりしてボランティアさんをねぎらう、いろいろな工夫が最近見かけられます。地域の課題はなるべく地域の中で解決していくために組織だった助け合いの運動が必要になってきますね。
「子供のことが憎いわけではないのに、つい大きな声を出してしまう。『何で言った通りしないの? 何で同じことをまたするの?』気が付けば金切り声をあげているんです。」
虐待と言う形まではいかなくても、育児のノイローゼに掛かって自分は母親失格だ、などと思い詰めてしまう方もいます。子供は一人一人個性があって違うので、「これで良し」が一通りではないはずです。でも初めての出産であったり、親と離れていて誰にも相談できなかったり…と不安を抱えたまま、自分を責めてしまっているお母さんも多いはずです。
同じ課題を感じているお母さんたちが交流できる場、できたらそこに信頼できる肝っ玉母さん、おばあさんがいて悩みを聞いてくれる。そんな場所が市内に何か所かあるとうれしいですね。聞いてもらい、自分だけが迷ったり、怒ったりしているわけじゃない…と気づくだけでも救われる方はいらっしゃるでしょう。
市が地域の様々な困りごとにどれだけ取り組めるか…。たとえ今すぐ完璧にできなくても、現行のNPO法人と協力する。逆にNPOを支援すると言う形ででも、少しでも生活しやすい環境を作るために行動することが大切です。
議員を含め、市に雇われるすべての公務員は困りごと相談員になる覚悟が必要ですね。今あるすばらしい自治組織…町内会には会長さん、民生委員さんがいらっしゃりすでに困りごと相談員をなさっています。力を合わせて助けあうところに必ず解決策は出てきます。
●日本の農業
少子高齢化が叫ばれて久しい日本です。何とか結婚を再び流行らせたいですね。
政府も努力するわけですが、なかなか成果が生まれていません。私が渡米したころ(1983年)アメリカの実質離婚率は約50%でした。(つまり既婚の二組に一組は離婚)日本も20年でアメリカに追いつくだろうと言われていました。約30年たった今、離婚率は幸いそれほど上がっていませんが、若い人が結婚しなくなりました。
障害の一つは「稼ぎが少なすぎて、嫁や子供を食わしていけない。」確かに厳しい現実です。打開案として、㈰親としばらく同居して助けてもらう。㈪女性が子供を産んでもなるべく早く職場復帰する。
同居は、非常に賢明な案です。できる限り挑戦してみてください。また共稼ぎの夫婦を援助するために、市内の小児科で試みられている病児保育制度を充実させたり、放課後児童クラブを、地域の人たちも巻き込んださらに活発なものにしていくことが大切です。また誰でも気軽に立ち寄れる、育児相談室を作りましょう。なにも資格のある先生でなくてもいいではありませんか。たくさんの子供を育てた経験のあるかたなら立派な育児相談員になれます。ここでもまた、高齢者の活躍の場があります。働く若いお父さんお母さんたちに地域が援助していくんだ、と言う意気込みを見せることが大切です。地域がみんなで子供に関心を持ちましょう!
私も子供の教育費とか、養育費とかが心配でなりませんでしたが、この世に生れてきた愛らしいわが子の顔を見た瞬間、計算はどっかに吹っ飛んでいきました。「貧乏でもいい、この子と一緒に生きる幸せを守りたい!」それだけが人生の中心になりました。生きがいになりました。
子供を産み育てる事を負担と考えがちですが、子供には不思議な力があって、親を勇気づけたりがんばらせたりしてくれます。親たちは前より一生懸命努力するし、前には湧かなかった新しい知恵が生まれたりします。結果、生活が豊かになる人だっているのです。