第2号 平成24年2月1日

●若者と政治、自治
「若い人が政治に無関心、地域社会の問題に背を向けている。」と言われますね。でも本当にそうなのでしょうか。若者は理想や夢をたくさん持ちます。正義心が強く、ウソに敏感です。社会のリーダーたちが本当に信念に基づいて行動しているのか、それとも見栄や保身が先立っているのかを冷静に見ています。


実は私は中学生から高校生になるころ、親たちの世代の見栄、虚栄心、他人の思惑こそが第一の人生観…これらに死ぬほど抵抗がありました。確かに狭い集落で生きるには必要な処世術だったのかもしれませんが、世間体を気にしている母の姿には幸せのかけらもなかったように思います。「どうしたら苦労しないで穏便に生きていくか。楽に老後を過ごすためにいい会社に入っていい家を建てて…。」なんてことを毎日聞いて、うんざりした人は私だけでしょうか。


このたび東北大震災が起こり、たくさんの方々が命、家屋、職場、あるいは暮らしていた町さえもなくしてしまうと言う悲劇が起きました。この現実を前にして、全国から本当に多くの人々が、自分の持てるものを少しでも分けよう、何とか手助けしようと、立ち上がりました。また被災者の方自身の中にも、危険を顧みず原子力発電所で働かれるお父さんたち、自分の家族の所在が分からないにもかかわらず、周りの小さな子供の面倒を見る高校生たちがいましたね。この姿は世界に驚嘆の声をあげさせました。“誰かのために何かをすること”それは感動であるし、自分への誇りにもなっていったでしょう。「自分にも誰かのためにできることがあるんだって知りました!」涙を流して語る彼らの目には感動と理想が宿っていました。


この姿を見て私ははっとしました。若者には理想が必要なのだ。目標となる生き方が必要なのだ。大震災を通して日本が改めて認識したこの反省を私たちは生かさなくてはなりません。


バックパックをしょって東北まで行かなくとも、ボランティアはできます。道路を渡ろうとしているご老人と一緒に歩いてみること。買い物袋を「持ってあげますか。」と尋ねてみること。(聞かないでいきなり持ってはいけません。)隣の平作さんちの屋根の雪を30分おろしてあげること。一緒にお茶を飲むこと…。できたら近所の方々ともう一度、つながってみることが必要ではないでしょうか。若いうちから、どんどん人のために協力させる。人から感謝されることの感動を味わってもらう。これはとても大切な教育だと思います。


大人たちが前向きに地域を良くしようと頑張って生きていたら、若者も無関心ではいられません。自分たちにできることを考え、より良い地域社会を作る努力をしてくれるはずです。若い人たちの意見を市政にも反映させましょう。彼らが前向きに考えだしたことがあるなら、真剣に耳を傾けましょう。もしかしたら、我々には思いつかなかった新しいアイディアもでてくるかもしれませんね。若者ばんざい!!


●家族の在り方 同居/別居? その2
「もうどうしていいんかわからんくなった。」友人から電話がかかってきました。痴呆がだんだん悪くなってきた実家のおかあさん。二日に一遍はお嫁さんから苦情の電話があるそうです。見かねてたずねると、ウソか本当かのお嫁さんや息子の悪口を聞かされてぐったり疲れて帰ってくるのだとか。加えて自分も夫の両親と同居です。去年義父が骨折して運転できないために、買い物やら病院やらとパートの仕事をやりくりしながら毎日駆けずり回って暮らしてきたのです。それがここにきて、やれ洗濯をやってくれ、お昼ご飯を準備してから出かけろ。などと要求が増え続けているそうです。たしか義母さんはまだ80歳前で足腰はしっかりしているじゃないか。私はつい言ってしまいました。「それは、お母さんのために良くないよ。ますます何もできなくなって、ボケたらどうするの? できることはなるべく自分でやってもらわなくっちゃ、手先を動かすのは脳に一番いいんだってよ!」


親たちがこれからますます弱くなることは目に見えています。デイサービス、ショートステイなどをいっぱいいっぱい使っても、身動きの取れない女性たちがたくさんいます。仕事を辞めて介護に専念する人もいますが、今度は介護する人の心と体の健康が問題になります。まだ多少余裕のあるはずの私の友がこんなに大変なら、もっと深刻な病状の父母を介護する家庭は、夫がリストラされた家庭は…。介護する側が疲れず、倒れず、みんなが幸せに暮らせる方法を見つけなくてはなりません。


問題解決には
1、まず横のつながりを築く。自分と同じ悩みを持つ人たちと情報交換する。
2、介護の責任をどう分散させられるか、成功例に学んでいく。介護サービスを多角的に利用、同居していない兄弟からの協力体制を作る、介護施設利用などの勉強会。
3、これらのための場、組織(現行NPO組織の力も借りる)を市が中心となって作る。


皆が安心して相談できる、悩みを共有するために集う場所を行政主導で確保し、介護される側にも、する側にも優しい介護の仕方をみんなで模索していきましょう。